• テキストサイズ

COLORS☆黒子のバスケ

第34章 本音。


しばらく歩き回っていると
紫原くんは売店でお菓子を買っているところだった。

るり「紫原くん。」

私が呼びかけると、
紫原くんは少し赤くなった目をこすりながら
不機嫌そうにこちらを見つめた。

紫原「…何?励ましに来たとか?…そういうのまじ迷惑なんだけど…。」

紫原くんは売店のおばちゃんからお菓子を受け取ると
私を睨みつけた。

るり「…そっか。ごめんね。」

プライドの高い彼には余計なお世話だったか。
私はその場を去ろうとした。

が、紫原くんは私の腕を掴んだ。

紫原「…本当に帰らないでよ。」
紫原くんは頬をぷうっと膨らませていた。

るり「…。」

紫原「そういう時は、帰らずに励ますもんでしょ?るりちんバカなの?」
紫原くんはさっそくお菓子のフタを開けた。

るり「…ごめん。」

紫原「…るりちんのバーカ!バーカ!」
紫原くんはボリボリとお菓子を食べていた。
でも、少しだけ声が震えていた。


紫原「るりちんのバカ…どうして俺を選ばないの…?」


るり「…え?」
私は紫原くんを見つめた。

紫原くんの目には涙が溜まっていた。

紫原「だって、赤ちんと一緒に居たって、るりちんは絶対幸せにはなれないもん。赤ちんは絶対にまたるりちんを傷つける。そうわかってるのにどうしてまたバスケなんかしたの?」

るり「…どうしてだろう…。」


紫原「俺だったらるりちんの事絶対幸せにするし、るりちんが嫌がる事絶対にしない。だからさ…マネージャーなんてもうやめて…俺と一緒に居ようよ。」

そう言って紫原くんは私を抱きしめた。
紫原くんの身体は大きくて、熱くて、
少しまだ汗の匂いが残ってて、

身体から振動する声が
いつもより少しだけ
低く聞こえた。

/ 516ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp