第34章 本音。
るり「ごめん、それは出来ないよ。」
私は紫原くんの背中を優しく撫でた。
紫原「…なんで?」
るり「賭けとか…もうそういうのじゃなくて…私は純粋に誠凛のメンバーが大好きで、誠凛に勝ってほしい。皆に貢献したい…。だからマネージャーはやめない。」
紫原「…るりちんはまだ赤ちんが好きなの?」
るり「…どうだろうね。わからない。」
私がそう呟くと、紫原くんはより強く私を抱きしめた。
紫原「体育館にるりちんが居ないと…つまらないんだ。」
るり「…?」
紫原「嘘ついたんだ。俺、るりちんの頑張ってる所見るの大好きだった。るりちんの応援も大好きだった。暑苦しいと思ってた。でも、心地が良くて…好きだった。」
紫原くんは私をゆっくりと
離すと真っ直ぐに私を見つめた。
紫原「だからバスケもいっぱい頑張れた。でも、今はるりちんが傍にいない。俺、るりちんが傍に居たらもっともっと強くなれる…だから…」
『ずっと一緒に居て欲しい。』
その言葉に私は頷く事も首を横に振る事も
出来なかった。
るり「…赤司くんの賭けに私が勝つことが出来たら…必ず返事はする。だから…」
『待っていてほしい。』
私がそう伝えると、
紫原くんは無言で頷いた。
紫原くんはいつだって強がりで
本音をあまり言わない。
だからこそ、
私はその本音に…
答えを出さなければいけない。
そのためには…
私は赤司くんとの賭けに
"勝たなければならない。"