第34章 本音。
第2Qは黒子くんのおかげで、
得点差は縮んできた。
10分のインターバルタイム。
私はリコ先輩と共に作戦を全員に伝えた。
それは、木吉先輩をPGにする事。
そのために伏線を張る事。
皆、その作戦に賛成してくれた。
少しだけど
役に立てた気がして…
嬉しかった。
第3Qがはじまり、
誠凛の猛追撃が始まった。
が、その展開が地獄を呼び起こした。
紫原くんが、
DFからOFに参加したのだ。
リコ「紫原がOF!?」
るり「…彼はただ、面倒くさいから守備に徹しているだけであって…守備よりも攻撃の方が得意です。」
リコ「…!!!!」
紫原くんの攻撃は
パワーもスピードもある。
彼は圧倒的だった。
紫原くんがダンクシュートを決めた。
ゴールがミシミシと鈍い音を立て、
崩壊した。
紫原「どんな理想も俺にとっちゃ、ただのごみだ。」
いつもの死んだような冷たい目で
彼は言い放った。
火神くんはただ呆然と
紫原くんを見つめていた。
試合は一時中断となった。
会場はざわめいた。
紫原「ねぇ、るりちん。そんな一生懸命応援してバカみたいじゃないの?応援して何になるの?るりちんが応援する事によって…何か変わるの?」
紫原くんはあの冷たい目で私を見下ろした。
るり「…。」
紫原「どうせこいつら負けるんだから、建前でやってるんならもっと適当にすれば?」
そう言って紫原くんはベンチの方へ戻って行った。
るり「…っ!!!!!」
胸にズキっと刺さった。
この人にとって私の応援は
建前でやっているとしか見えていなかったんだ。