第34章 本音。
るり「と、とにかく!私たちも負けませんから!」
私は紫原くんの手をどけて、離れた。
紫原「ふぅーん。」
紫原くんは不満気に私を見下ろした。
るり「…っ。」
私は正直少しだけ紫原くんが苦手だった。
正直何考えてるかわからないし、
なんか見下されてるような感じがするし…。
お菓子をねだってくる時の可愛い紫原くんとは
違うような…冷たい目をする瞬間がある。
紫原「まぁ、赤ちんじゃないけど、決まってることだからぁー♪じゃぁ、またねぇー♪」
紫原くんは再び人懐っこい笑顔で私に手を振った。
そして、陽泉のメンバー達は私の横を通り抜けた。
…。
どっしりとした重圧。
今までの学校にないような
何やら重たい何かを感じた。
私もすぐに誠凛のみんなの元へと戻った。
そして、陽泉の試合DVDを見た。
圧巻だった。
やっぱり、
紫原くんはすごい。
圧倒的な身長。
圧倒的なパワー。
その試合は結局、
陽泉の無失点に終わっていた。
るり「…無失点…。」
リコ「これで2試合連続無失点よ。ただものじゃないわ。」
るり「でも、勝機はあります。」
リコ「…へぇ?何か作戦があるの?」
るり「…はい。」
私は自分が取ってきたデータを広げ、
リコ先輩に見せた。
リコ「…!!!なるほどね!やるじゃない!」
リコ先輩に褒められて、
思わず頬が緩んでしまった。
そうして、作戦会議が始まった。