第33章 ドキっ!キセキだらけの水泳大会!?
私は赤司くんに呼び掛けられ、
バレているとわかっていても、
思わず息を潜めた。
すると赤司くんは何故かその場を立ち去った。
るり「…あれ?」
私は様子を伺った。
少し先の木の陰に向かって
赤司くんは先ほどのセリフを言い放った。
赤司「…ここも違った。」
確かにそう呟きまた進んだ。
るり(もしかして、全部に言ってる!?ど、どうしよ、今出たら…絶対プライド傷つけるよね…)
私は考えた。
赤司くんのプライドを傷つける事なく、
スマートに『参った』と言う方法を…
るり(そうだ!先に次の木陰に移動して、呼び掛けられたらすぐに『参った』を言おう!!)
私は静かに移動を始めた。
赤司くんが、どこか別の方向を向いたらすかさず走り、
木陰に移動し、声をかけられるのを待った。
赤司「僕には見えているよ!るり!!」
来たっ!!
私は何故か嬉しくなり、木陰から飛び出した。
るり「見つかってしまいましたね!参りました!!」
赤司「…。」
赤司くんは不審そうな顔で私を睨んだ。
るり「っへ!?」
赤司「るり…君は可愛いね。」
そういって赤司くんは笑った。