第30章 賭け。
~駐車場~
るり「赤司くん以外好きにならない…それは、赤司くんがあの時の賭けに勝ったら誓うよ。」
私は真っ直ぐに赤司くんを見つめて言った。
赤司「…驚いた。まさか君がそんな強気に出るなんて。」
そう言って赤司くんは笑った。
るり「誠凛は負けない。絶対に。」
赤司「わかった。君たちが勝ち残るのを待っている。でも、僕は負けないよ?…絶対に」
るり「・・・。」
赤司「るり。」
るり「ん?」
赤司「今日君に久しぶりに会って実感した。僕はやっぱり君が好きだ。誰にも渡したくない。…また試合で会おう。」
そう言って赤司くんは去って行った。
去り際に見えた赤司くんの顔は
あの別人のような冷たい顔ではなく、
何故だかとても寂しそうな顔をしていた。
その表情に
少しだけ動揺してしまった。
赤司くんのそんな顔
見た事なかったから。
私は誠凛の控え室へと戻る事にした。