第29章 過去②~帝光中学~
赤司くんは私の髪を強く掴んだ。
るり「きゃっ」
思わず悲鳴をあげた。
そこからはスローモーションのように物事が見えた。
次の瞬間見えたのは
はさみで
そして髪を強く掴まれている感覚は
なくなった。
ふと下を見ると
地面に黒く長い髪が落ちた。
先程まで結っていた髪が
解かれるように軽くなった。
私は赤司くんを見た。
彼は笑っていた。
赤司「切ってしまえばいいんだよ?そうすれば誰も君の長い綺麗な髪も見れないし、触れない。」
私は恐怖で
動くことが出来ず、不適に笑う彼の顔を
見つめることしかできなかった。