第29章 過去②~帝光中学~
るり「赤司くん!」
私が呼びかけると赤司くんは立ち止まり、こちらを見た。
冷たい目をしていた。
赤司「なんだ?」
その低いトーンの声に
思わず足がすくんだ。
るり「いや…ごめん、どこ行くのかな…って」
赤司「君に関係ない。君はみんなと話していたらどうだ?」
赤司くんはそう冷たく言い放った。
るり「…そっか、ごめんね。」
私は怖かったのですぐに戻ろうとした。
が、なぜか腕をつかまれた。
赤司「ねぇ、るり。」
るり「?」
赤司「君には僕以外の人間なんて必要ないと思うんだ。」
るり「・・・。」
赤司「君は僕だけを見ていれば良い。ずっと。」
るり「なにいって…」
振り返って見た彼の顔は
今までに見たことないぐらい怖い顔をしていた。
恐怖のあまり身体が動かなくなった。
赤司「僕はずっと気に食わなかった。君が他の奴と仲良くするのが。君は僕だけのものなのに…」
そう言って赤司くんは私のポニーテールを優しく触った。
赤司「君の綺麗なこの長い髪も他の男には見せたくないんだ。触らせたくない。ねぇ、じゃぁどうしたらいいと思う?」
赤司くんの口元はニヤっと不適に笑った。