第29章 過去②~帝光中学~
桃井「るりちゃん!?」
さつきちゃんの声がし、私は振り返った。
そこにはキセキの世代のみんなが居た。
緑間「神谷!?おい、赤司これは一体どういう事なのだよ!」
黄瀬「…!」
紫原「…。」
青峰「…。」
赤司「見たままだ。彼女は僕のものだ。彼女に手を出す奴は例え君達でも…絶対に許さない。」
シーンと周りが静かになった。
赤司「るり。賭けをしよう。高校で君は必ずまたバスケのマネージャーをするだろう。その時に君の在籍するチームが僕のチームに勝つことが出来たら…僕は君を自由にする。」
るり「…。」
赤司「もし君のチームが負けたら…君は一生僕のものだ。」
るり「もし、私がマネージャーをしなかったら…?」
赤司「君はまた必ずマネージャーになる。僕にはわかる。」
そう言って赤司くんはまた笑った。
赤司「君が僕のものになる事は決まっている。また、高校になったら迎えに行く。」
そう言って赤司くんは去って行った。
私はそこからの事はよく覚えていない。
でもその時の赤司くんはいつもの優しい赤司くんじゃなくて、全くの"別人"だった。
大好きだった優しい彼ではなく
全く別の誰か。
そのまま私はキセキの世代のみんなも避け、
赤司くんの事も避け続けた。
彼らと一切関わることがないまま
私は高校へと入学した。