第29章 過去②~帝光中学~
それから毎日が一変して灰色に見えた。
あんなに明るくてカラフルな世界に居たのに
白黒の世界に閉じ込められたように。
これは本当の自分なんだろうか?
自分の行動に疑問しか沸かず、
私は憂鬱でたまらなかった。
引退の時期も近く、3年の練習は自由参加だったため私は部活にもあまり行かなくなった。
あれから2軍の子達がどうなったか
私は知らない。
憂鬱な一日が終わり、
私は帰りのHRが終わると帰る準備をはじめた。
教室に赤司くんがやってきた。
赤司くんは私の方に歩み寄り、
私に話しかけた。
赤司「るり。最近練習に来ないが、どうした?」
赤司くんはいつもの優しい顔をしていた。
私はうつむき黙り込んだ。
赤司「るり…?」
赤司くんは私の顔を覗き込み、私の手を握った。
その暖かい手が大好きで。
その優しいまなざしも大好きだった。
でも、それは、
本当の赤司くんなのかその時の私にはわからなかった。
そのまま泣き出した私を
赤司くんは優しく抱きしめてくれた。
この温もりは
本物?