第29章 過去②~帝光中学~
赤司「君がいつも2軍や3軍に希望を持たせるために言っていた言葉は所詮ただの慰めでしかなかったんだ。勝てない彼らにね。」
るり「違う…。」
赤司「違わない。君は自分が嫌われたくないがために彼らに"嘘"をついていたんだ。」
るり「嘘…?」
赤司「だってそうだろう?君自身は負けた事なんかないんだし、仲間に頼る楽しいバスケなんてした事がなかったんだから。それに、負けたからって何かを得て彼らは僕らに勝てるのかい?勝てないだろ。」
そうか、
私は自分の偽の善意を
2軍や3軍の子に押し付けて慕われたつもりで
自己満足をしていただけだったんだ。
赤司「いいかい。勝つことが全てだ。負けて得るものなんて何もない。仲間に頼るバスケなんて弱さの現われだ。」
赤司くんはいつもの冷たい無表情で淡々と言い放った。
そこから私は何もいえなかった。
緑間「赤司、それぐらいにしておけ。」
緑間くんが私たちに駆け寄ってきた。
赤司「真太郎。2軍の奴らに聞いておけ。どこのどいつに負けたのか。このままでは腹の虫が治まらない。」
緑間「わかった。」
そう言って緑間くんは体育館を出て行った。