第29章 過去②~帝光中学~
そんな時に事件は起きた。
それは私が2軍の子達の練習を見てる時だった。
田中「あの…神谷さん。」
いつも練習を見てあげている2軍の田中くんが顔を青くして話しかけてきた。
るり「ん?どうしたの?」
その深刻そうな顔に私は身構えた。
田中「実は…」
私は田中くんの話を聞いた。
田中くんは他の2軍の子達と一緒に公園でバスケをしていたそうだ。
そこで不良達に絡まれ、
バスケが下手だとバカにされ頭にきて、
思わず『俺たちは帝光中のバスケ部のレギュラーだ!』と嘘をついたそうだ。
その不良たちの挑発に乗ってしまい試合をする事になり、不良たちにコテンパに負けたそうだ。
るり「…うーん。学校名乗ったのは…まずかったかもね。うち学校外の試合とか禁止だし…。」
私が深刻そうな顔をすると
田中くんは顔をさらに青くした。
田中「あ、あの…赤司さんに…言わなきゃ…ですよね?」
田中くんは震えていた。
学校名を名乗った上に負けたとなると
赤司くんは当然怒るだろう。
最悪退部もありえる…。
るり「うーん…だい・・・じょうぶだよ!私から赤司くんに伝えてみるね。」
私がそう言うと田中くんの表情は明るくなり、また練習へと戻っていった。
私は深呼吸をし1軍の体育館へと向かった。