第29章 過去②~帝光中学~
それから何ヶ月もの月日が流れた。
私たちは3年生に進級し、残す試合は全中のみとなった。
その時にはあの時とはすっかり変わっていた。
そこにチームワークはなかった。
やる気のない作業的な試合。
"キセキの世代"と世間からもてはやされる彼らは
私には濁って見えた。
その頃には私は部活後に2軍や3軍の子達の練習も見るようになっていた。
少しでもみんなを強くしてあげたかったから。
2軍や3軍の子達はみんなキラキラしていた。
いつでも諦めていなかった。
1軍のみんなにコテンパに試合でやられても、
彼らに憧れ、彼らを目指していた。
そして、帝光中学は全中三連覇を達成した。
もはや喜びなどなかった。
それが『当然』だったから。
それからすぐに黒子くんは突然部活をやめた。
いつもバスケが大好きで、
努力家だった黒子くんが…。
それから黒子くんと私はずっと喋る事はなかった。