第29章 過去②~帝光中学~
赤司「今の現場、すべて見ていました。」
先輩B「…え!?いや、誤解だって!これは…」
先輩は私の髪を離した。
紫原「え?言い訳できると思ってるの?」
先輩A「…っち。ほら、帰るよ!」
そう言って先輩たちは逃げて行った。
紫原「あー。逃げちゃったぁー」
紫原くんは相変わらずの元気のない目で彼女たちを見つめていた。
赤司「るり。大丈夫か?」
赤司くんは私に手を差し出した。
るり「はい。すいません…。」
赤司「何故謝るんだ?」
るり「ご迷惑をかけてしまって…。」
赤司「迷惑じゃない。当然の事をしたんだ。」
るり「…ありがとうございます。」
赤司「君はその長い髪がよく似合う。切られてしまったら勿体無いからね。ほら、部活に行こう。」
そう言って赤司くんは私の手を引き
部活へ向かった。
紫原くんは相変わらずだるそうに
私たちの後ろを着いてきた。
赤司くんの手の温度が暖かくて
胸がドキドキと高鳴った。
これは恋…なのだろうか?