第29章 過去②~帝光中学~
そんなある日の放課後。
私は部室へ向かっていた。
男子バスケ部の部室の前に
女子バスケ部の先輩たちが居た。
思わず背筋が凍った。
でも、通らないわけには行かず、
私は意を決してその前を通った。
先輩A「おい、神谷。ちょっと来い。」
先輩B「まぁ、拒否っても無理矢理連れてくけどな。」
やっぱり話しかけられた。
私は二人に連れられるまま、
人気のない体育館倉庫の裏へと連れて行かれた。
先輩A「おい、最近随分楽しんでるみたいじゃん?男子にちやほやされて楽しい?」
るり「…そんなんじゃないです。」
先輩A「お前がどうやって赤司くんをタラシ込んだか知らねぇけどな、お前目障りなんだよ!役立たずのブスのくせに…!!!」
るり「だから、そんなんじゃ…」
先輩B「うっせぇよ!ブス!どうせ、その長い髪で男誘惑してんだろ?ちょっと綺麗な髪だからって…そんなの切ってやるよ!!!」
そう言って先輩たちは私の髪を掴んだ。
るり「きゃ!?やめてください!!!」
私が叫ぶと先輩たちは嬉しそうに笑ってハサミを取り出した。
あぁ。折角伸ばした長い髪。
お母さんに褒められて嬉しくて伸ばした長い髪。
切り落とされてしまうんだ…。
何故か、私は諦めていたような気がする。
そんな時だった。
「はーい!ストーップ!そこまでだよぉー」
その声に先輩たちは動きを止めた。
先輩A「…っな!」
私もそちらを見た。
そこには紫原くんと赤司くんが居た。