第28章 過去~帝光中学~
私は黄瀬くんと黒子くんの所へ向かった。
るり「あの…」
私が声をかけると二人は振り返った。
黄瀬「ん?何スか?」
るり「えっと、赤司くんに言われて二人のお手伝いに来ました。」
私がそう言うと黄瀬くんは眉間にシワを寄せた。
黒子「そうですか。よろしくお願いします。」
黒子くんは無表情のまま丁寧にお辞儀をした。
るり「あ、お願いします。」
私もお辞儀をしかえした。
黄瀬「はぁ。やっぱり俺たち下っ端に押し付けるんスね。」
黄瀬くんは不満げに口を尖らせた。
黒子「黄瀬くん、失礼です。謝ってください。」
黄瀬「だってそうじゃないっスか!こんな何も出来ない人…まぁ、適当にその辺で見てるだけでいいっスよ。俺たち適当にやるんで。」
そう言って黄瀬くんは再びレイアップの練習を始めた。
るり「あ…はい。すいません…。」
どうやら私は黄瀬くんに嫌われているようだ。
黒子「すいません。気にしないで下さい。」
黒子くんは申し訳なさそうに謝ると、再び練習に戻った。
しばらく黄瀬くんを見ていると違和感を覚えた。
レイアップの際の踏み込みのリズムがちょっと変なのだ。
でも、きちんとボールは入るのだが、なんだかやりにくそうだった。
利き足が…逆?
るり「あの…」
黄瀬「ん?何スか?」
黄瀬くんは不満そうにこちらを見た。
るり「えっと…レイアップする時、多分逆の足から踏み出したほうが良いと思います。利き足じゃないほうで出てるからリズムが乱れてやりにくいのかと…」
黄瀬「え?何で俺があんたに…」
赤司「涼太、彼女の言う通りにやってみろ。」
気が付くと赤司くんと桃井さんが後ろに居た。
黄瀬くんは少し不満そうだったが、
言われたように先程と逆の足で踏み切った。