第28章 過去~帝光中学~
その次の日の事だった。
いつものように私は部活に出ていた。
先輩A「ほら、神谷!さっさとゴール下にたまったボール片付けろよ!」
フリースローの練習で床に落ちたボールを
私は必死で片付けていた。
でも、相変わらず腕も足もうまく動かず、
片付けても片付けてもボールは散らかっていく。
先輩B「っとに。さっさと片付けろってぇ!お前邪魔なんだよっ!」
"ドンッ"
るり「きゃっ!!!」
頭にボールが直撃した。
先輩B「あ、ごめんごめーん。邪魔すぎてぶつけちゃったー」
わざとだとすぐにわかった。
あぁ、私が遅いから先輩達をイラつかせてしまっているんだ…。
るり「すいません…。」
私は謝ると再び片付けをはじめた。
周りからはクスクスと笑っている声が聞こえた。
周りを見渡すと皆、私から目をそらし、ヒソヒソ話をする。
あぁ。
私、嫌われてたんだ…。
今になってやっとわかった。
私はずっと一人だったんだ。
心臓がぎゅっと締め付けられるような感覚に襲われた。
呼吸が出来なくなるかと思うぐらい
胸が苦しくなった。
先輩A「ほら、神谷!手ぇとまってんぞ!さっさと片付けろ!この役立たず!」
私の顔の真横をボールが通り抜けた。
その時だった。
体育館のドアが開き、
誰かが入ってきた。