第28章 過去~帝光中学~
しばらくすると女子の黄色い歓声が響き渡った。
私はそちらの方を見た。
そこには
赤司くんが居た。
私はただ呆然と赤司くんを見つめていた。
赤司「練習中にすまない。部長は居るか?」
先輩は嬉しそうに赤司くんに駆け寄った。
先輩A「私です!」
赤司「あなたが部長ですか。なるほど…。実は今日は報告があって来ました。」
先輩A「な…なんですかぁ?///」
先輩は頬を赤らめながら先程とは違うとろけるような表情をしていた。
赤司「はい。本日より、神谷るりは男子バスケ部1軍マネージャーとして活動する事になりました。双方顧問の了承も得ています。というわけで、彼女貰っていきますね。」
先輩A「…え?」
周囲がザワつき、皆が一斉にこちらを見た。
るり「…えぇ?」
赤司「やぁ、るり。迎えに来たよ。」
そう言って赤司くんは私の方に歩み寄り、私に手を差し出した。
るり「…なんで…?」
赤司「言っただろ?僕の命令は絶対だ。」
そう言って赤司くんはまたあの優しい笑顔で笑った。
私は彼の手を握った。
赤司「いい子だ。さぁ、行こうか。」
私は彼に引っ張られるまま体育館を後にした。
みんな唖然とした顔で私たちを見つめていた。