第28章 過去~帝光中学~
この時、私は全く周りが見えていなかった。
私はただひたすら皆のためにがんばっているつもりで居た。
が、
当然そんな私を快く思っていない人達の方が多かった。
それに気がつかず、
ただただ私は突き進んでいた。
そんなある日の事だった。
部活が終わり、私はいつものように居残りをして練習をしていた。
美雪「るり、まだ帰らないの?」
るり「うわぁ!?美雪!帰ったかと思ってた!」
美雪「うん、一緒に帰らない?」
なんだか美雪はそわそわしていて様子が変だった。
るり「ん?…うん、いいけど…」
そうして、私は練習を切り上げ、制服に着替えて美雪と帰る事にした。
美雪は終始そわそわして、
きょろきょろと周りを見渡していた。
るり「美雪?どうしたの?」
美雪「っへ!?な、なんでもないよっ!」
るり「そっか、あ、それでさぁー」
私は挙動不審な美雪が気になったが、
気にせず雑談を続けた。
見通しの悪い十字路の角に差し掛かった。
既に暗くなっている空。
車やバイクが来ればライトですぐにわかる。
私は気にせず真っ直ぐに進んだ。
"ドンッ"
背後から背中を強く押され私は転倒した。
それと同時にどこからともなく
無灯火のバイクが飛び出してきた。
凄まじい激痛が私の右半身を直撃した。
『ギャァァァァァァァァァ』
凄まじい叫び声が響き渡った。
コレは誰の叫び声…?
ぼんやりとした頭で考えた。
ソレは
私の叫び声だった…。