第3章 曇り空。
るり「あ、試合はどんな感じ?」
黄瀬「俺達もさっき来たばっかりなんスけど…」
笠松「見たとおり、正邦ペースだ。」
誠凛は0-12のスコアで負けていた。
更に正邦のガードの固さにかなり苦戦していた。
火神くんの特攻も黒子くんのパスも完全に封じられていた。
るり「…あ、正邦の10番!」
黄瀬「津川っス。あいつには嫌な思い出しかないっスよぉー」
るり「ちょっとやりにくそうな子だったよね、常に笑顔だし」
黄瀬「そうなんスよねぇ、火神っちも大変っスねぇ」
るり(あ、火神っちって呼んでる。認めたんだ。)
黄瀬「にしても、DF厳しいのはわかったスけど、こんなんじゃ最後まで体力もたねぇっスよ。」
『誠凛!タイムアウトです!!!』
笠松「あいつらはもつんだよ。なぜなら古武術を使っているからな。」
るり「古武術?アチョーって感じの武道ですか?」
笠松「いや、古武術に蹴りはない。正確に言うと古武術を取り入れてるんだ。」
るり「ほう、なるほど。」
笠松「ほら、あいつらの走り方。同じ側の手足出してるだろ?」
るり「んー…あ!本当だ!何か変ですね!」
笠松「あれはナンバ走りって言って体をねじらない事でエネルギーロスを減らせるらしい」
黄瀬「へぇ!先輩よく知ってるっスね!」
笠松「全国でも珍しいチームだからな。月バスでも特集された時もあったし。」
黄瀬「けど、誠凛もこのまま黙ってやられるタマじゃないっスよね?」
るり(あ、そういえば緑間くんはどうなんだろ。)
私は隣のコートに目をやった。