第14章 WC予選
そうして、試合開始時刻になった。
お互いに整列し、試合が始まった。
みんな以前より遥かに成長していた。
そして、何より木吉先輩が加わった事で以前よりずっと戦力は増していた。
ふと客席の方を見た。
るり(あ。桐皇の今吉さんだ。)
今吉さんと可愛い男の子が二人で偵察に来ていた。
結構距離はあったがふと今吉さんと目が合ったので
軽く会釈をした。
今吉さんもニコっと笑顔になり会釈してくれた。
リコ「ん?何?どうしたの?」
隣に居たリコ先輩が話しかけてきた。
るり「あ、あそこに桐皇の今吉さんが居ます。」
リコ「あ!本当だ!あれ?知り合い?」
るり「んー…ちょっといろいろあって。」
リコ「ふぅーん。まぁ、詳しく後で聞かせて!ほら!今は応援に集中!集中!」
リコ先輩はちょっと意地悪な顔をして笑っていた。
るり「はい!」
私は応援を続けた。
…が
さっきからいまいち試合内容が頭に入ってこない。
なんだか、昔のことを思い出して
もやもやしていた。
そんなこんなで気づくと誠凛の圧勝で終わっていた。
るり(あぁ。ボーっとしてるうちに…。火神くんすごかったなぁ。こんなんじゃいかん!)
私は気合を入れる意味を込めて
顔をペシペシと叩いた。
火神「あ?お前なにやってんだよ?」
るり「いや。気合いれようかと…。」
火神「もう試合終わったのに?」
るり「うっ…確かに。何やってんだろ。」
火神「お前大丈夫か?何かあんなら言えよ?」
火神くんが私の頭をワシワシと乱暴に撫でた。
るり「いてて。うん。ありがとう。」