第18章 卒業式
神社の赤い鳥居を抜けていく。
お母様に支えてもらって、ぼたんに励ましてもらって、燈に…日和に沢山助けてもらい、他の人達にも沢山助けてもらったこの十五年間。
もう弱音など吐いてられない。
これからは自分で道を切り開いていかなきゃ……
沢山の人達への感謝の気持ちを抱いて、私は神社の出口へと足を進める。
すると出口の方には二つの姿が見えた。
「燈…日和…」
燈「姫君、あっしと日和はこれからもずっと…姫君を守り続けます」
「……ありがとう」
燈「行ってらっしゃいませ」
「……行ってきます」
そして前を向くと、少し長くなった紅い髪の少年。私の幼馴染み。蔵馬こと秀一がいた。
「……秀一」
蔵馬「卒業おめでとう、時音」
「……秀一こそ、卒業おめでとう」
お互いに微笑み合い二人並んで歩いた。