第16章 Christmas date
ぼたん「で、今日はそのコと何するんだい?」
「今日は映画見て、その後昼食で、次は買い物に…………
何?」
異様にぼたんから視線を感じる。
顔を見るとネコヅラになり、ニヤニヤしながら私を見ている。
ぼたん「別にィ~~『深い意味はない』って言ってたワリには、デートらしい計画立ててるもんだからさっ」
「なっ!////」
ぼたん「んもぅ、素直に『デートしたい』って言えばいいのにさ、もったいない」
「だっ……だってェ……////」
だって……
だって……仕方ないでしょ……
あんな……
「あんな、人との約束を諦めて浮気していた人をすぐに許せると思って?」
ぼたん「アッ…アハハ…そっ、そうだよね」
そうよ、秀一に流されちゃダメよ私!!
今日こそきっちり、ちゃんと誓ってもらうんだから!!
ぼたん「あっあの~…お時ちゃん…」
「えっ…あっ何?」
ぼたん「もうすぐ十時だよ?」
「え!?」
時計を見ると、すでに針が九時五十八分と表示されていた。
「ウソ!?もうこんな時間?!!」
茶色のタートルネックの上にベージュのワンピースを合わせた服の上に、ピンクのラインコートを着る。
急いで鞄を持ち部屋を出た。
ぼたん「お時ちゃーん、今度あたしにも紹介しとくれよーー!!」
「はいはい今度ね!いってきまーす」
後ろからのぼたんの呼び掛けに適当に返し、キャメルのブーツをはいて家を出た。