第9章 交差した想い
魔界で最後に会ったあの日……。
オレと一緒にいたことが見つかった時音は、彼女の兄、緋神子族第一皇子・炎-ホムラ-によって連れ戻された。
その時オレは、あまりの敵の多さと強さに時音を傍においておくことができなかった。
だから、時音と約束したんだ。
『この先…何があっても、盗賊の名にかけてお前を必ず奴等から奪いに来る。
どんな姿でも必ず見つけ出す。だから、待っていろ』
と。
しかし、先に見つけられたのはオレだった。
だが時音はいままで、あの時の約束を信じてずっとオレを待っていてくれたのに、結局オレは最後まで時音を見つけ出せなかった。