第7章 救出
~蔵馬side~
喜多島を見つけたオレたちは、すぐに喜多島の側へいった。
眠っているだけで、何もされていないようでホッとした。
オレは喜多島に夢現花の花粉をまく。
今日、起きた記憶を消す為に…
それと…
眠っている喜多島をおぶり、オレたちは廃工場を出て、帰り道の森の中を歩いているところだった。
喜多島は目を覚ましたが、まだ意識が朦朧しているようだ。
オレにおぶられながら喜多島はオレに話し掛けた。
麻弥「…………あれ…?南野くん……なんで……
あ……そっ……か、夢かァ……」
寝起きのゆったりとした喜多島の言葉に、そっと応えた。
「………あぁ。夢だよ。醒めればすべて忘れられる」
―――――――忘れられるさ……
………オレへの想いも……全部…――――――
喜多島がオレの側にいれば、また妖怪に襲われてしまうかもしれない……
だから……
きっと時音は、喜多島がオレに対する想いを消したことも解っているだろう。
緋神子族は、人の心を読み取る能力があるから。
いや、そんなことしなくても…時音は気づいているだろうな。
飛影「夢現花の花粉だな…記憶の消去か」
「……それが彼女のためだ……」
飛影「名前を聞いていなかったな。覚えておいてやる」
「蔵馬だ」