第7章 救出
飛影「貴様が緋神子族の皇女だと?」
時音「えぇ。今は人間に化けているようなものだけど」
蔵馬「時音っ…」
そんな蔵馬の呼び掛けも無視し、時音は蔵馬と飛影の目の前を通り過ぎていく。
倒れている八つ手のそばへ行くと、その場にしゃがみ込み、何やらぶつぶつと呪文を唱え始めた。
振り袖の中から一枚の札を取りだし、八つ手の上へ翳す。
すると、呪文を唱え終わった途端、八つ手の体が光だし、呪符へ吸い込まれていく。
十秒程が経ち、倒れていた八つ手はもういなくなっていた。
その光景に二人は目を見開いた。
時音はスッと立ち上がり、蔵馬の方へ振り向いた。
時音「麻弥のトコ、行かなくていいの?」
時音の言葉で我に返った蔵馬は、麻弥のところへ掛けていった。
時音と飛影も、その後を追う。
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