第7章 救出
~時音side~
飛影という妖怪はそのまま何処かへ行ってしまった。
燈は先に家に戻らせ、お母様に報告するよう指示を出した。
麻弥は眠ったまま。
私と蔵馬の間に会話は一切なかった……。
そのまま麻弥を家まで送り、ご両親に事情を話す。
勿論、本当のことを話すわけにもいかず適当な嘘をついて誤魔化した。
その後は二人で暗い夜道を歩く。
先程と同様に会話もせず、ただ無言で歩いているだけだった。
しかし、きっちりと自分にも蔵馬にもケリを着けなければ……
だから、勇気を出して声を発した。
「公園……寄っていかない?」
蔵馬「……あぁ」
必要最低限の会話。
結局それ以外の会話はなく、私は重い足取りで公園へ向かった。
自分の想いを、全て打ち明けるために………。