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時の贈り物*[幽遊白書]*

第37章 忍び寄る影


灯夜と燈が雪菜の元へ向かうと、飛影が垂金を何度も殴っていた。
その数歩後ろには雪菜がいた。

灯夜「飛影、ダメ!!」

飛影「灯夜…お前もいたのか…」

灯夜「そんな事したら霊界から…「お前は黙っていろ!」飛影!!」

下では戸愚呂兄弟と戦っている幽助と桑原の姿がある。
飛影の行動に気づいた幽助は、下から飛影に向かって止めるように叫ぶが、それでも落ち着かない。

飛影「チッ…。この程度で許されると思うなよ!!」

雪菜「止めて!!」

垂金を思い切り殴ろうと振り上げた腕を止めたのは雪菜だった。
その行動に、飛影は咄嗟に動きを止める。

雪菜「もう…止めて下さい…」

灯夜「雪菜ちゃん?」

飛影「どういう事だ。この人間が、お前を苦しめてきたんだろう」

雪菜「もう……たくさんなんです…。私、もう傷つけ合ったり、憎しみ合ったりするの見たくありません!例え、どんな人でも…。
お願いです、止めて下さい!」

必死に飛影に伝える雪菜の瞳には、涙が溢れていた。その涙は頬をつたい、氷泪石となって床に転がる。
それを見た飛影はようやく落ち着きを取り戻し、垂金を離した。

飛影「わかった。こんな奴の事で、お前が悲しむ必要はない」

雪菜「ありがとうございます!」

それを後ろで見ていた灯夜と燈は、ホッと息をつく。

燈「収まったようですね…」

灯夜「うん。良かった」

下を見れば、戸愚呂を倒した桑原が横たわっており、幽助とぼたんが桑原の元へ駆け寄っていた。

燈「戸愚呂兄弟は倒せたようですね」

灯夜「ふぅ…。一時はどうなる事かと思ったよ」

そうしてもう一度、飛影と雪菜へ視線を移す。

雪菜「あの…貴方は……?」

飛影「……仲間さ。アイツらのな……」

灯夜「……飛影?」

雪菜の問に対する飛影の答えに、灯夜は複雑な気持ちになった。
どうして自分が雪菜の兄だと名乗らなかったのか…。

雪菜「そうだわ、大変!!」

雪菜は下にいる幽助達を見て、部屋を出て行ってしまった。
それを目で追う飛影。灯夜も下を降りていく雪菜をジッと見た。
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