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時の贈り物*[幽遊白書]*

第37章 忍び寄る影


「物凄く邪悪な妖気を感じる…」

蔵馬「これが戸愚呂兄弟の妖気か…」

霊界から出た二人は、日和に乗り垂金の屋敷の近くにいた。
戸愚呂兄弟の事は噂に聞いていたが、実際に妖気を捕らえると、とてつもなく禍々しいものだった。

「日和、急いで!!」

〈キューーー!!!〉

時音の指示に、日和は猛スピードで屋敷へ近づく。
入口の前に着地した後、日和から飛び降り急いで屋敷の中へ入り、飛影や雪菜達の妖気を辿る。
幸い、邪魔をしてくるはずであろう妖怪達は飛影が全員倒しているお陰で、無駄な時間を費やす事は無かった。
その時。

〈キュッ!〉

いきなり動きをピタリと止めた日和に、二人は足を止める。

「日和、どうしたの?」

〈ヴゥゥゥ……〉

低い唸り声を上げ、後ろの通路を睨み続ける日和に、時音は警戒心を強める。

「蔵馬、先に行って」

蔵馬「それは無理なお願いだ。嫌な妖気を感じる」

「幽助達の方が優先よ。私なら大丈夫。だから、行って」

蔵馬「…………わかった」

完全に納得した訳では無かったが、時音の言っている事も正しかった為、先に足を進めた。
蔵馬が行ったのを確認し、時音は前へ向き直る。

「出てきなさいよ。そこにいるんでしょ、凛姫」
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