第37章 忍び寄る影
霊界ではコエンマとその部下のジョルジュが、垂金が雇った妖怪と幽助達が戦っている様子を見ていた。
幽助と桑原はやられる一方で、かなり危ない状況だ。
コエンマの顔には冷や汗が流れていた。
コエンマ「………どうしたらいいんだ。っ!蔵馬、時音」
蔵馬「あの大男。まさか…」
コエンマ「あれが戸愚呂兄弟だ」
蔵馬「……アイツが」
戸愚呂兄弟。
魔物の売買を生業とする妖怪集団、闇ブローカー。それに雇われているのが戸愚呂兄弟だ。
時音が今知っている情報はそれと、恐ろしく強い妖怪であるという事だけだ。
だが、何か引っ掛かっていた。
コエンマ「クソ!このまま手を拱いて見ている事しかできないのか!?飛影も幽助達の後を追ったにしては一向に現れんしな…。っ!何処へ行く!」
「蔵馬?」
急に歩き出す蔵馬にコエンマは問掛ける。
蔵馬「ジッとしているのは、私の性分じゃないので。失礼します」
「……私も行くわ。気になる事もあるし」
コエンマの部屋を出た二人は、急いで垂金の別荘へ向った。