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時の贈り物*[幽遊白書]*

第37章 忍び寄る影


山の中枢で一晩過ごした幽助達は、明るくなった頃にまた屋敷へ向かった。
妖怪達の邪魔もあったが、無事屋敷に辿り着き、垂金達が雇った三匹の鬼の妖怪、三鬼衆を撃破。
そして雪菜の元へ向かっている時だった。

ぼたん「妖気が!」

ぼたんの腕につけてある妖気計が反応し、四人は動きを止めた。

桑原「邪悪なもんじゃねー。きっと彼女だ!!
やれるかどうか、念信してみる」

そう言って意識を集中し、雪菜に信号を送り始める桑原。
途中わけのわからん動作をしていたが、雪菜が結界から出された為居場所がわかったようだ。
しかし、その四人の中で灯夜だけが、邪悪な妖気に気づいていた。
それは、垂金が雇った妖怪のものだった。

「幽助、和君、ぼたん。僕は雪菜ちゃんの所へ行ってくる。三人は、垂金が雇った妖怪の方をお願い!!」

幽助「おう!あ、灯夜!」

「何?」

幽助「コイツ連れて行け!」

幽助が渡したのは一枚の札だ。しかし灯夜はそれに見覚えがあった。

「これ…燈じゃない!」

幽助「燈?って、式神の名前のことか?」

「うん。時音から?」

幽助「昨日の朝、急に預けてきたんだよ」

幽助の言葉に、灯夜は本当に自分が預かっていいか悩む。
幽助達が危険な時の為にとわざわざ預けにきたであろう事はわかっているからだ。

幽助「心配すんな!こっちは桑原やぼたんがいる。おめー一人じゃ危ないしな」

それに続いて、ぼたんも頷く。

桑原「オレには話が見えねえが、取り敢えず灯夜さんの安全の為なら浦飯の言う通りした方がいいです!」

式神の事で桑原だけ話についていけていないが、何となく察したようだ。

「皆……。うん、ありがとう!」

燈の札を持ち三人と別れ、灯夜は雪菜の妖気を辿りながら彼女の元へ向かう。
道行く道には何匹もの妖怪が倒れている。

「これは…飛影がやったんだ!」

やはり飛影もこの屋敷に向かっていた。
雪菜の居場所を掴んだ飛影は、既に彼女の元へ助けに行っていると考えた灯夜は足を進める。
しかし…。

「…っ!?」

いきなり灯夜の目の前に、一本の刃が突き刺さった。

「誰!?」

声を上げると、前からゆっくりと攻撃の主が現れる。
そいつの姿を見た灯夜は驚きを隠せなかった。

「…お、お前はっ!」
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