第6章 最悪の事態
~時音side~
私は今、土御門本家で八つ手の居場所を呪具で調べていた。
すると、ドタバタと奥の方からこちらに向かって走ってくる足音が聞こえてきた。
部屋の襖を開けた人物は、私の式神・燈だった。
燈「姫君!!大変です!!」
「どうしたの?」
燈「今、麻弥さんのご両親から電話がありまして……
麻弥さん、まだ家にお帰りになっていないと!!」
「えっ!?」
燈の言葉に、私は目の前が真っ暗になった。
よりによって八つ手がこの町に潜伏しているときに……
けど今は考えている暇はない。
私は巫女装束を着たまま立ち上がり、燈に指示を出す。
「八つ手の居場所はわかったわ、直ぐに向かうわよ」
燈「わかりやした!!」
準備が整った私たちは表へ出た。
「出でよ、日和!!」
ボムッと音をだし、煙の中から姿を現す小さな守護獣。
私の使役式として使えている白狐・日和。