第37章 忍び寄る影
その頃霊界では。
コエンマ「何故、何故お前までここにおる……時音!!」
雪菜の救出は灯夜に任せ、霊界に足を運んだ時音はコエンマから説教されている所だった。
「そんなに怒らなくたっていいじゃないですか…」
コエンマ「アホか!蔵馬もここに残るは、お前もこっちへ来るわ、どうなっておるんじゃこのバカップルは!!」
頭にムカッとマークが付いた時音を隣にいる蔵馬が宥める。
コエンマ「お前は霊界探偵 浦飯幽助の助手なんだぞ。解ってるのか!?」
「当たり前じゃないですか。そんな馬鹿じゃないです、私。でもコエンマ様、灯夜の力を信用してないとか言いませんよね?」
コエンマ「灯夜の実力はワシも認めておる!しかしだな…」
「………………………」
コエンマ「…………な、何だその目は」
何時までもネチネチ言うコエンマに、とうとう怒りを通り越した呆れの目を送る。
そんな時音の目に少し戸惑いを見せるコエンマ。
「そういえば、さっき台所覗いたらいちご大福があったなぁ」
コエンマ「っ!!そ、それはワシの今日のおやつ!」
バンッ!
時音が机を両手で思い切り叩いた。コエンマはビクッと体を震わせる。
「こんな大事な時によく呑気におやつなんて言えますね?コエンマさん?」
笑顔でコエンマに言い放つ時音は明らかにご機嫌ななめだ。
しかもコエンマの後ろに"様"ではなく"さん"とつけた時はかなり機嫌が悪い証なのだ。
「兎に角、今回は灯夜に任せる事にしたんです、私がそうした方が良いと判断したんです、これ以上口出しすると本気で怒りますよ?」
コエンマ「…………ハイ」