第37章 忍び寄る影
?「全く。気の早いやつらだね」
「「!!」」
私と灯夜の後ろから聞き慣れた声がしたため後ろへ振り向けば、そこには蔵馬が身を屈めていた。
「何で蔵馬までいるのよ」
蔵馬「そんな変な顔しないでよ。オレも幽助と桑原君が気になってね」
それはいいけど、お願いだから気配を絶って近づかないで欲しいわ。
ていうか、どうしようこの騒動。
魔装束の罠に安安と引っ掛っている目の前の幽助達と相手の不良達。
不良ってのは馬鹿が多いのね、やっぱり…。
蔵馬「オレが言ってくるから、二人はここにいて」
そう言って立ち上がった蔵馬は髪の中から二本の真紅の薔薇を取り出す。
え?何する気?
蔵馬「ちょっと待ったァー!!」
の声と共に、幽助達と相手の間に二本の薔薇がひらりと舞い降りる。
「なんかまたキザなことやってるし…」
灯夜「わお!タキシード仮面みたいだね、時音」
何で灯夜は関心してるのよ…。
蔵馬「30分も前に始めるとは気の早い人達だ。だが、お互い牙を向ける相手が違いますよ。
全てを仕組んだのは、そこにいる二人だ!!」
蔵馬が指を指した方向に全員が顔を向けると、幽助と和真君の偽物の姿があった。
そう、そいつらこそが、今回のこの馬鹿げた計画を立てた張本人。
灯夜「幽助と和君の偽物似てるか楽しみにしてたのに、なんか期待外れ」
「灯夜…貴女楽しんでどうするのよ」
灯夜「時音は何時も真面目に考えすぎなの、もっと肩の力を抜かなきゃ」
「そんな事言われてもねぇ…」
灯夜から前へ視線を移せば、偽物二人は不良達によってボゴボコにされていた。