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時の贈り物*[幽遊白書]*

第36章 安息


桑原家を後にし、蔵馬と共に家へ帰った。
早速血に染まった蔵馬の制服を洗っていることろだ。

「ねぇ、何笑ってるの」

制服を洗っている隣で口元を隠してクスクス笑う蔵馬を軽く睨む。

蔵馬「いや、さっきのコエンマの名前が頭から離れなくてね」

「だって咄嗟に思い付いたのがあれだったんだもん」

蔵馬「しかも螢子ちゃんへの説明も長かったしね」

「仕方ないでしょ!私、あれでも結構頑張ったんだから」

ぼたんのややこしい説明を更にややこしくしたのもわかってるけど、兎に角誤魔化すことに必死だった。もっと冷静だったら、もっとマシな説明が出来た気がする。

「ていうか、そう思うなら蔵馬が説明してくれれば良かったじゃない。蔵馬なら上手く誤魔化せたでしょ」

蔵馬「まぁね。でも必死な時音を見てる方が面白かったから」

あんな状況でも結局自分優先か!
相手にするのも面倒になった私は、無視し続ける事にした。

蔵馬「時音、今日の晩御飯は何?」

何でこんな時に晩御飯とか聞いてくるのよ。

「……………。」

蔵馬「じゃあ明日の弁当のおかずは?」

何で次はお弁当の話なのよ。

「…………。」

蔵馬「時音」

構ってほしいのか、コイツは!!
流石にイライラしてきた…。けどここは我慢よ。

蔵馬「時音」

今度は何なのよもう…。

蔵馬「今日一緒に寝ようか」

「……………。はぁ!?」

ハッ!しまった…。

蔵馬「あ、やっとこっち向いた。ずっと話し掛けてたのに無視するから」

「無視してたのよ!わざと!」

蔵馬「あれ?そうだったんだ」

白々しい…。ていうか、そうじゃなくて、

「さっきの本気で言ってるの!?」

蔵馬「さっきのって?」

わかってるクセにこの狐は…。

「だから、一緒に寝るっていう…」

蔵馬「オレは一緒に寝たい」

「うん、絶っっっ対ヤダ!!」

何でわざわざ蔵馬と一緒に寝なきゃいけないのよ!

蔵馬「たまにはいいと思うけど」

「そういう問題じゃないの!」

洗い終えた制服を洗濯機の中に叩き込む。

蔵馬「物は丁寧に扱わなきゃ」

「うるさい!誰のせいでこんなイライラしてると思ってるのよ!」

それでもニコニコし続ける蔵馬。

「~~~もう蔵馬はあっち行ってて!蔵馬のバカ!!」
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