第6章 最悪の事態
「……大した回復力だね、驚いた四時間で目覚めるとは」
敵(傷が塞がっている)
「かなり深い傷だったので勝手に手当てさせてもらった。
魔界の薬草だ、よく効くよ。
ところで、寝ているときに口にしていたけど、ユキナというのは知り合いかい?」
オレの質問にビクリと反応する彼。
「その邪眼は生まれつきじゃないね…妖気の感じからして最近身につけたものだ。
邪眼をつけるには大変な覚悟がいる。
何か事情があるんだろう。
そのコと八つ手と何か関係があるのかい?」
敵「ごちゃごちゃとよく喋る野郎だ……
手当てをしてなきゃ殺してるところだぜ」
彼はベッドから降り、壁へもたれ座っているオレの横へくると窓を開けた。
敵「礼の代わりに忠告してやる。
貴様の甘さはいつか命とりだぞ」
「また戦う気か…?時期を待った方がいい」
敵「ヤツは喰えば喰う程強くなる。腰抜けは寝てろ」
「……名前くらいは聞いてもいいだろう?」
敵「……飛影」
彼は名前を名乗ると、窓の縁に足をかけ外へ出ていった。