第6章 最悪の事態
オレの周りで黄色い声をあげ、そばに寄って来る女とは正反対で、照れ屋だが素直で落ち着きのある女だった。
彼女はいまどうしているのだろうか……。
そんなことを考えてしまう。
だがもう、彼女はオレのすぐそばにいるのではないか……?
オレの、南野秀一の幼馴染み。
土御門時音。
名前も同じで、しかも姿も似ている。
物の好みや性格、動作。
全てが当てはまる。
やはり彼女は時音なんじゃ……。
だが…もし違っていたら?
オレが彼女のことばかり考えていると、先程まで気を失っていた彼が目を覚ました。