第35章 予感的中
体力はもう限界。
制服もボロボロ。
体も傷だらけでかなり痛む。
この状態じゃ、燈や澄すら呼び出せない。
後ろでは倒れたぼたんを抱えながら、螢子ちゃんが座り込んでいる。
先程の教師がハサミを手に持っているのが見えた。
「螢子ちゃん、後ろ!」
頭を上げれば私目掛けてパイプが降り下ろされていく。
抵抗する体力ももうない。
万事休す…か。
目の前が真っ暗になったその時、
螢子「幽助ーーー!!!」
その直後。
ドサリという音が、いくつも聞こえた。
しかも、パイプで殴られるはずが、痛みがない。
ゆっくりと目を開ければ、魔回虫に取り付かれた人間達は皆倒れていた。
螢子「………時音さん」
そっか、
「助かったんだわ、幽助のお陰でね」
螢子「…え。幽助が?」
「螢子ちゃん、大丈夫?」
螢子「あ、はい。大丈夫…です」
そのわりには今にも泣きそうな顔をしている。
そりゃそうよね、こんな怖い目に合うなんて、夢にも思わなかったでしょうし…。
「ぼたん。ぼたん、しっかりして」
螢子「ぼたんさん!」
未だに気を失っているぼたんに声を掛ける。
中々動かないので結構心配だったが、
ぼたん「……んん」
螢子「ぼたんさん!」