第35章 予感的中
ー迷宮城ー~蔵馬side~
連絡がきたのは時音だった。
何かあったか不安になったが、時音は何か考え事をしているような感じだった。
そしてポツリと呟いた一言。
時音〈螢子ちゃんが危ないかも…〉
その言葉に、幽助が取り乱す。
幽助「は!?時音、螢子が危ないってどういう意味だ!」
確か彼女は幽助の幼馴染みと時音がこの前言っていたな。
時音〈ごめん、幽助。また後で連絡する!〉
幽助「は!?ちょ、おい!時音」
プツンと画面が消え、通話が途切れた。
幽助「ったく、時音のやつ切りやがった!何だよさっきの…螢子が危ないかもしれないって」
桑原「雪村が危ないだと!?時音さんがそう言ってたのか」
幽助「間違いねぇ。声は小さかったけど…」
「なら、本当にその子は危険かもしれない」
幽助「蔵馬、そりゃどういう意味だ!」
冷や汗をかきながら詰め寄る幽助に落ち着いてと言いながら、ゆっくりと話す。
「時音はこういう時、物凄く勘が良いんだ。そして、時音の予想はほぼ当たる」
幽助「じゃあ、マジで螢子は危ないって事かよ…」
ピピピッ、再度コンパクトのコール音が鳴る。また時音かと思ったが、相手はぼたんだった。
ぼたん〈幽助、こちらぼたん。こちらぼたん〉
幽助「オレだ!」
ぼたん〈今、螢子ちゃんと学校にいるよ。魔回虫に取り付かれた人間達に囲まれてるんだ〉
幽助「何!?」
ぼたん〈やつら、明らかに螢子ちゃんを探してる。螢子ちゃんを狙ってきてるんだよ!〉
幽助「なんだと!?やっぱり時音の言った事は本当だったのか…」
「時音はまだ来てないのか?」
幽助の横からぼたんに問い掛けてみたが…。
ぼたん〈まだ。さっきから連絡もとれてないし。兎に角、一刻も早く虫笛を奪って………ガシャン〉
コンパクトの向こうから、大きな音が聞こえた。
暫くして画面も消えてしまい、向こうの状況がわからない。
幽助「ぼたん!おい、どうした!?ぼたん!!クソ、早くしねぇと」
こうなると、時音も心配だった。どうか、無事でいてくれ…。
彼女達の無事を願いながら、オレ達は朱雀の元へ向かった。
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