第35章 予感的中
蔵馬と飛影を妖魔街へ送り、皿屋敷駅に向かった。
駅へ移動する途中も、魔回虫を探してみたが、そう簡単には見つからない。
かなり手こずりそうだ。
ぼたん「おーい、お時ちゃーん!」
前の方からぼたんの声が聞こえた。
手にはバッドと殺虫剤を持っているので変な人みたいだ。
「何よその格好。しかもバッドと殺虫剤持ってよく街中歩けるわね。恥ずかしくないの?」
ぼたん「そんなこと言ってたら魔回虫の駆除なんて出来ないだろ?」
「それは…そうだけど…」
でも周りから結構視線を感じる。
ぼたん「はい、コレお時ちゃんの殺虫剤。魔回虫見つけたら駆除よろしく!」
「はいはい。それで、これからどうするの?」
ぼたん「別行動で魔回虫の駆除ってとこだね」
「そう。じゃあ一時間ごとに連絡するわ」
ぼたん「はいな!」
***
ぼたんと別れてから一時間。あちこち探し回って結局駆除した数は10匹。
全部駆除するには、やっぱり虫笛を壊すのが一番手っ取り早いわね。
取り敢えず…
霊界通信コンパクトを取りだし、ぼたんにコールした。数秒経ち、コンパクトの画面にぼたんの顔が写る。
「こちら時音。そちらの状況は?」
ぼたん〈今のとこ混乱は起きてないよ。そっちは?〉
「まだ大きな騒動は起きてないわ。まぁ、妖魔街の住人は三匹退治したけど。でも魔回虫はまだ10匹しか駆除できてないわ」
ぼたん〈あたしも、今日一日中探し回って、まだ15匹しか駆除できてないんだよ〉
「魔回虫の方がよっぽど厄介ね。でも、陰湿な人間が少なくて助かったわ」
ぼたん〈そうだねぇ。あ、今さっき幽助に連絡したとこだよ。迷宮城の中には入れたみたいだよ。蔵馬と飛影とも合流できたよ〉
「そう、よかった。じゃあ私達も引き続き、魔回虫の駆除に戻りましょう」
ぼたん〈りょーかい!〉