第35章 予感的中
「ここよ」
茂みの奥に隠れてあった妖魔街への入口。
この中へ入れば、四聖獣のアジトへと行き着く事ができるだろう。
「今回の任務は四聖獣を倒すだけでなく、虫笛の破壊もなのよ。奴らは霊界に人間界への移住権を要求してきたの。霊界は四聖獣が魔界から出られないよう、人間界との境に結界を張って魔界に閉じ込めてるでしょ?それを解けっていってきてるのよ」
蔵馬「さっきも魔回虫は何匹か見つけたよ。どうやら奴らに先を越されたようだね」
「えぇ。結界を解けば虫笛を渡すっていってるみたいだけど信用出来ないわ。何より結界を解いてしまったらそれこそ終わりよ」
だからこそ、奴らを倒し虫笛を破壊するしか、私達に道はない。
けれど物凄く嫌な予感がする。この胸騒ぎは何?
その時、ピピピとぼたんから預かった霊界通信コンパクトが音を鳴らした。
ぼたん〈もしもし、こちらぼたん。今幽助を妖魔街へ連れてったとこだよ〉
「こっちは今から蔵馬と飛影を連れてくところ」
ぼたん〈じゃあ二人を送ったら、皿屋敷駅で待ち合わせってのはどうだい?〉
「えぇ、問題ないわ」
ぼたん〈了解!あとね、お時ちゃん。言いにくい事なんだけど実は…桑原君が一緒に妖魔街へ着いて行ってしまって〉
「ふーん、そう。…………って、はぁぁぁ!?!?な、え!?何で!!」
予想外の出来事。
まさか和真君まで巻き込んでしまうとは…。
でもぼたんの話を聞いたら巻き込んだと言うより、彼が行く気満々だったようだ。
でも…。
「どうして彼が妖魔街や四聖獣の事、知ってるわけ?」
ぼたん〈いや~、幽助に話をしている時隣にいるのを忘れててさぁ。話とか全部聞こえてたみたいなんだよね~。魔回虫も見えてたみたいだし〉
「うん。あのね、ぼたん」
私は一度息を大きく吸って吐いて呼吸を整えてから画面の向こうのぼたんを見た。
「彼ほどの霊力の持ち主が魔回虫が見えてないわけないじゃない それに彼の性格考えなさいよ あんなに正義感ある性格なのに街の危機とか聞いて動かないわけないでしょ
それからアンタの事だからどうせ大きな声で話してて彼の存在とか忘れてただけなんでしょ?」
満面の笑顔付に早口で止まらず言ってやった。