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時の贈り物*[幽遊白書]*

第34章 不吉の予兆


「…私にもよくわからない。でも、人が見えたの。その人が纏っているオーラはすごく不気味で…それがスゴく、怖くて…。
夢なのに変わりないけど、夢の中で私の意識はハッキリとしていた」

澄「おそらく私の封印が解かれたのが原因だろう」

「「!?」」

透き通るような声で間に入ってきたのは澄だった。
彼の封印を解いてからはや三週間。
私を一応主人と認めてくれたみたいだけど、本気で認めた訳ではないようで、未だに打ち解けられていない。
会話も必要最低限なことくらいだった。

これも多分、彼にとっては必要最低限の会話。

澄「私の開封は、覚醒の段階が一つ上がったことになる。
従って、お前の妖力も急激に倍増し、急な妖力の倍増によって、身体の中で制御出来ないことによって妖力が不安定になる。
しかしそれは覚醒の最終段階に近づいている証。お前が今見た夢も、そのせいだ」

燈「しかしそれが悪夢ということは、緋神子の予知能力も含まれているということでありやすね」

澄「…あぁ」

成る程。
つまり今の夢は、近い未来、良からぬことが起きるという予兆というわけか。

覚醒段階でいうと、次は今の仮の姿、つまり人間の姿から元の妖怪の姿に戻れるようになることだ。

人間の姿になってから、緋神子の能力を使うのは困難だった。
今の人間の身体では力が足りなかったから。
でも最近は緋神子の力が稀に発動することがある。
選考会の時もそうだった。

そして今も。
無意識だけど予知能力が発動した。
しかも悪夢となれば、かなり不吉な事が起きる可能性が高い。
十分に気を付ける必要がある。

燈「取り敢えず、蔵馬様にもちゃんと話しておいて下さい。
暫く、悪夢を見続けることになるでしょうから、そんな時彼がいれば少しは安心出来るでしょう」

「……そうね。うん」

燈「さて、学校へ行く準備をしましょうか」




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