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時の贈り物*[幽遊白書]*

第33章 選考会


第三試合桑原VS武蔵。
最初は武蔵に押されていた桑原だったが、この戦いで自身の能力が目覚め、見事に敵を倒した。

「霊気の剣か…。和真君やるじゃない」

ぼたん「思わぬところから強敵が現れたね!!」

幽助「へへ…おもしれーじゃねーか!!」

言葉を交わす幽助と桑原を見ながら、時音はポツリと呟いた。

「あの二人、この先はいい関係を築いていけるかもしれない」

ぼたん「え?」

「今見えたの。力も何も使っていないのに、二人の未来が」

ぼたん「それって、緋神子族の能力だよね?」

「えぇ」

その者の未来を見る能力。緋神子族の力の一つだ。
神の使いである緋神子の力は、妖怪とは違う特殊な力が多数存在する。
他人の心を映し出す能力や、心の通いあっている者とシンクロする能力など、普通の妖怪には持ち得ない能力を、生れつき持っている。
妖怪がその能力を習得するには、長い年月をかけて修業しなければならない。
勿論、緋神子族の者も、修業をしなければ上手く使いこなすことはできない。
時音も修業でその能力を身につけたのだが、誰よりも習得するのが早く、生まれ持った才能なのか、力を使わずとも稀に他者の未来が見えたりすることがある。

それには発動条件があるようで、一つは親しい者しか見ることができないことと、もう一つはその者に対して印象が強く残る出来事があること。
今目の前にあった出来事は、他の者からすればごく普通かもしれないが、時音からすればとても心に残るような何かを感じたためだ。

(この能力が発動したってことは、もしかしたらこの先、思いがけないことが起きるかもしれない)

そう、逆にこの能力が発動したというのは、この先の未来、命懸けの試練が待ち受けているかもしれない。という予告なのだ。
緋神子の力は、未来予知の効果もある。霊界探偵としての使命を背負った幽助には、命懸けの試練が幾つも襲い掛かってきても可笑しくはない。

(それでも幽助達ならきっと…きっと大丈夫)
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