第33章 選考会
それは幻海の寺にたまに顔を出しに来る友人で、時音が知り合ってからも長い付き合いになる。
自分の事や蔵馬との仲についても色々と相談にのって貰い、よく社にも手伝いに来てくれたりと、何かとお世話になっている姉の様な存在。
「ね、ねぇ…」
桑原「はい!何ですか?」
「もしかして貴方、静流さんの弟くん?」
桑原「え!?姉貴のこと知ってんスか?」
成る程、通りで霊感が強い訳だ。と、時音と幻海は納得した。
「えぇ。静流さんには何時もお世話になっているの。また宜しく伝えておいてくれるかしら」
桑原「勿論ですよ!」
「ありがとう。あ、私の名前は土御門 時音。宜しくね、和真君」
桑原「こちらこそです!」
幻海「どうやら残ったのはこの7人だね」
桑原「…………待ってくれよ。ひとり来るはずなんだよ」
幻海「ならん。時間厳守じゃ」
(………幽助。…あら?)
ガサガサと木葉の音がする。音がなる方へ顔を向けると、傷だらけの幽助が現れた。
桑原「浦飯!」
幽助「ちくくょー。真っ直ぐ来りゃ一番早いと思ったのによ。散々な目にあったぜ」
幻海「真っ直ぐだと?途中にいたコウモリ使いはかなり手強いヤツのはずだが…」
幽助「あ?あいつのことか?チョロチョロうるさかったが、スピードは飛影に比べりゃハナクソみてーなもんだったし。ま、あんなヤツはオレの相手じゃねーぜ………て。あ、あぁ!?」
幽助は時音の方へ指を差し驚きの声を上げる。
幽助「お、オメー誰かと思えば時音じゃねーか!」
とうとうバレたか…。と、苦笑いを浮かべる時音。
桑原「浦飯、お前時音さんと知り合いなのか!?」
幽助「お、おぉ…ま、色々と事情があってな…」
桑原「何だと?テメー雪村という女がいながら!」
幽助「何でそこで螢子が出てくるんだよ!」
幻海「ギャーギャー五月蝿いね!静かにせんか」
ピタリと二人の言い合いが止むと、幻海は全員の方へ向き直る。
幻海「第四次審査は……!!………考えとらんかった」
またもや全員がズッコケる。
「……おばあちゃん」