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時の贈り物*[幽遊白書]*

第33章 選考会


こうして20余名がクリアし、一同は第三次審査会場へ向かった。

幻海「う~~む。なかなか減らないね」

「森が会場なら、次は大分減る気がするんだけど…」

幻海「まぁな。次の審査は厳しいからね」

「いきなりレベル上げすぎじゃあ…」

幻海「あたしが1レベルずつ上げるなんて易しい事すると思うかい?」

「思いません」



森の中からの不気味な妖気に、志願者の数名が逃げていく。
確かにこの森には沢山の妖怪も住んでいる。少しでも無理だと思ったなら帰った方が身のためだろう。

幻海「それではスタートじゃ」

スタートとの合図と同時に、志願者達が走り出す。

幻海「あたしらは先に行っとるよ。霊感をはたらかせて、なるべく危険な道をさけるのが早道だよ。あたしらについてこれりゃ、一番早いがね」

「ということで皆さん、気を付けて下さいね」

時音も一言残してから幻海の後を追った。


***


二人はゴール地点である大木の下で志願者達を待っていた。
1時間程が経ったが、なかなかゴールする者が出てこない。

幻海「まだ一人もこないじゃないか、全く」

「おばあちゃんが急に難しくするからじゃ…」

幻海「何か言ったかい」

「いえ、何も」

相変わらず幻海にも頭が上がらない。蔵馬と幻海は少しだけ似ている気がすると時音は思った。
意地悪な性格から考え方、そして何より常に自分が有利であり続けるところなど、所々同じだ。

幻海「どれ、ちょっと霊気の位置でも調べてみるか」

(おばあちゃんと蔵馬に意地悪されたら、何をどう足掻いても勝てないかも…)


数分後…


「あ、誰かきた」

前の方から人影が見える。青い学ランに背の高い中学生、桑原だ。

桑原「あり、まさかオレがトップ?マジ!?」

その言葉に幻海がゆっくりと頷く。

「お疲れ様。貴方霊感がかなり鋭いのね。さっきのジャンケンゲームも見ていたけど、もしかして家系なの?」

桑原「あ、貴女はさっきの綺麗なねーちゃん!」

桑原は時音の両手を取りながら、熱く語り始めた。

桑原「僕の名前は桑原 和真といいます!」

「は、はぁ…」

(…って、桑原?)

桑原が一人熱演しているのも聞き流し、時音はある人物を頭の中に浮かべた。
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