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時の贈り物*[幽遊白書]*

第32章 儀式


「!!………蔵、馬」

どうして、何でココに蔵馬が…
その左斜め後ろには燈も一緒にいる。

蔵馬はゆっくりと足を進め、私の隣まで来ると、またお父様に言葉を投げる。

蔵馬「あなたが時音を恨んでいる理由は解ります
あなたや、他の陰陽師たちと討伐したはずの玉藻。
なのに、まさか自分の娘がその生まれ変わりだった。
つまりあなたは、また玉藻が蘇ることに嫌悪を感じているということです」

珀時「…………。」

蔵馬「自分の娘が憎いがため、あなたは時音を娘として認めていないのでしょう。
そして今日の儀式を機に、娘を殺そうと考えたわけだ」

珀時「……コイツは娘ではない。ただの…
捨て駒みたいなモノだ」

「えっ………」

桜音「あなた!何てこと言うんですか!!
このコはあなたが思うほどの邪気はありません、むしろ清らかです。
このコは純粋にただ、自分のままでありたいとそう思っているだけです。
どこに邪悪な心があるのです?
それどころかとても真っ直ぐで、汚れのない、凛とした心の持ち主です。
このコは私の…自慢の娘ですから」

お母様…私のこと、そんな風に思っていてくれた…
嬉しくて、また別の涙が溢れてくる。

幻海「珀時、一つ教えてやろう。
もし時音に邪気があれば、コイツはとっくに悪妖怪の仲間入りさ。
コイツが六百年もの間、こうして安定していたのは、コイツの心が純粋で汚れていないからだ。
もっと自分の娘を信じてやってもいいと思うがね。あたしは、自分の弟子を誇りに思うよ」

コエンマ「コイツは、霊界のめに…人間界のために懸命に働いてくれている。
条約など関係なく、ただ何かを守りたいが為にだ。
その守りたいという思いが、悪にまみれた心に変わるとワシは思えん」

おばあちゃん…コエンマ様…


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