第5章 襲撃
喜多島が家に帰ろうと方向転換したその時…
「!!」
オレは異常な殺気を感じ、帰ろうとする喜多島を引き止めた。
麻弥「??」
「離れるな」
いつの間に……もうそこまで来てる!!
すごい殺気だ!!
……互角か、いやヤバイ。
すると、謎の敵の一撃がオレたちを襲った。
オレはとっさに喜多島を抱えて飛び退いた。
敵「よくかわしたな……!」
敵は黒髪で逆毛をした、黒い服を着た小柄の妖怪だ。
右手には剣を持っている。
「大丈夫か?」
オレは喜多島を抱えたまま、彼女に声をかけた。
麻弥「う、うん。南野くんこそ大丈夫?
あたし結構重いのよ?意外にパワフル…」
「そーゆー問題と場合じゃない」
敵はまたオレに襲いかかろうとした。
オレは喜多島を乱暴に降ろすと、急いでポケットから草を取りだし、妖気を通して武器化した。
間合いをとりながら、武器化した植物で敵の攻撃を防ぐ。
敵「植物の武器化か!!」
「喜多島、逃げろ!!」
地面に座り込んでいる喜多島に声をかけた。
だが、今の状況に驚いて混乱している彼女にオレの声は耳に入っていないようだった。
―――オレが場所を変えた方がいいな
そう判断し、喜多島を危険に巻き込むまいと戦いを森の中へ変えた。