第5章 襲撃
攻撃と防御のやり取りの中、敵が口を開いた。
敵「いい腕だ!!
貴様のような使い手が何故八つ手の手先に甘んじているのだ!?」
彼の言葉にオレは耳を疑った。
「……!?なに!?
八つ手!?この町にヤツがきているのか!!」
オレが驚きの声をあげると、彼は攻撃を止め立ち止まった。
敵「……!?
貴様、八つ手が差し向けた討手じゃないのか」
「……それでわかった、剣をしまえ。オレはこの町の先住民だ」
敵「……くっ、マヌケな話だ。思ったより焦っていたらしい……」
すると彼の腹部から、ポタポタと赤い液体が流れ落ちた。
―――血!?
彼は深手を追った焦りからオレを八つ手の手先と誤解し襲ったようだ。
「!!」
彼は傷の痛みから気を失い、その場に倒れてしまった。
―――食人妖怪・八つ手……。いまのオレの力では倒せん……。
厄介な事になってきた。―――