第5章 襲撃
~蔵馬side~
学校が終わった後、オレはいつも通り真っ直ぐ家に帰っていた。
だが、オレの後ろには喜多島もいた。
さっき喜多島に告白され、オレたちは気まずさに会話すらしていない。
だが、もう辺りは夕焼けのせいで橙色に染まっている。
何かあって妖怪にでも襲われたら……。
オレはためらいがちに、喜多島に声をかけた。
「…………もう家に帰りなって。喜多島の家、こっちじゃないだろう……」
麻弥「…………だってまだ、返事聞いてないもん。
…………はっきり言ってくれていいんだ……、心の準備は、出来てるから…」
―――言えるわけないじゃないか……
「悪いけど……」
本当の気持ちを伝えれば、必ず危険に巻き込むことになる……―――
麻弥「……わかった。帰る、ね」
ごめん……喜多島……。