第30章 二匹の守護霊
あれから一夜明け、眠っていた時音が目を覚ました。
寝起きのせいでうとうとしている彼女に優しく声を掛ける。
「おはよう、時音」
時音「………え」
ガバッと顔を上げ、オレの顔をジッと見る時音。
不思議に思ったオレも彼女を見つめ返す。
「時音?」
時音「……もしかして私、あれからこのまま寝ちゃったの?」
目を丸くしながら言う時音。
オレは一瞬呆気にとられたが、大泣きしていたし無理もないか、と勝手に納得することにした。
「あぁ、一晩中ぐっすりと寝てたよ」
時音「………ヤダ、私…////」
「時音の可愛い寝顔はちゃんと目に焼きつけておいたから」
時音「………////」
カァと赤くなる時音の顔。
そんな彼女にクスリと笑いながら、頭を撫でた。
時音「そ、そういえば…お腹、もう大丈夫?」
心配そうにオレの顔を覗き込む時音。
「あぁ、心配ない。大丈夫だよ」
そう言って微笑むと、つられて時音もニコリと微笑み返してくれた。